金ちゃん農園とオレンジパートナー(南足柄市)

南足柄市提供写真

「(ボランティア活動に参加する人には)まずは何かをしようではなく、認知症の方が特別ではないと知るのが第一歩だと思う。場を共有し会話をして、これなら自分もできると感じてもらうことが一番」そう話すのは南足柄市高齢介護課の鳥居貴子さん。南足柄市では平成23年から認知症地域支援アクションミーティングをスタート。その中の4つのアクションの1つが「金ちゃん農園」チームだ。平成27年に始めた当初はスタッフに誰も農業経験者がおらず、プランターに苗を植える程度の活動だった。転機は平成28年、認知症だったご主人を亡くして以来、手入れをしていなかった畑を「お父さんが喜ぶから」と提供してくれた市民の方が現れてからだった。チームに農業経験者がいないので何を植えたらいいのか、雑草の処理などで悩んでいたところ、あるオレンジパートナーの方が参加してくれてオレンジパートナー仲間を誘うようになった。農業経験のないオレンジパートナーは農業を熟知している農家の人にも声をかけて、スタッフ、認知症の本人と家族、農家をはじめてとした地域の人たちのつなぎ役になった。活動が進むにつれてオレンジパートナーの方々からは「(認知症の)本人ともっと接したい」「地域の人々が(認知症の)本人と交流できる方法を考えたい」という声が聞かれるようになった。当初13名でスタートした金ちゃん農園メンバーは現在60名に増えている。コロナ禍で認知症カフェや集いの開催が限られる今、金ちゃん農園に出る人数は絞っているが、草むしりや収穫などの活動は続いている。長年認知症施策に関わってきた鳥居さんは「以前若年性認知症の方が赤ちゃんが来たことで表情が和んだ。すごくいいなと思った」と話す。今はコロナ禍で難しいが金ちゃん農園を認知症の方のみならず、子育て支援センターや障害児通園事業にも声をかけ、異世代交流のできる場所へと広げていきたいというのが鳥居さんの願いだ。

                                                         (水)

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